書籍レビュー『【特注】をビジネスにする新戦略 カスタマイズ』
特注してますか?
突然でしたね。
みなさんは普段なにかを買う時、特注で買うことはありますでしょうか?
あまりない、という方も多いかもしれません。
では、質問を変えましょう。
みなさんは名刺を注文したことはありますか?
ある、という方もたくさんいるでしょう。
その名刺って…「特注」ですよね。あなただけの情報が入った、世界に一つの特注品です。
特注=カスタマイズとも言い換えられます。
今回は身近にあふれる特注・カスタムに関する書籍のご紹介です。
読み終わる頃にはカスタムしたくなっているかも知れません。
もしくはカスタムビジネスを始めたくなっているかも知れません。
カスタマイズ市場に迫る『【特注】をビジネスにする新戦略』
ご紹介する本は、『【特注】をビジネスにする新戦略』。
2014年に発行されました。
NIKEiDに代表されるように、国内でもカスタマイズブームは起きていますが、先駆けて海外ではもっと盛んにカスタマイズブームが到来していました。(NIKEiDも国内に入ってくるまではタイムラグがありましたね。)
海外でのカスタマイズブームのひとつに、「YouBar」というカスタムシリアルバーのビジネスがあります。
本書はその「YouBar」の創業者が書いた本なのです。
カスタマイズビジネスを成功させた人物が書いたカスタマイズビジネスの本なので、読んでいてリアリティ・説得力がビンビン感じられます。
「YouBar」の凄さ
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ペイパルの社員はこんなことを言ってきた。
「先週、お客様のアカウントに非常に高額の入金があったので、違法行為に関わっていらっしゃらないか確認させていただく次第です。どういったご商売をされているのでしょうか?」
私は唖然とした。
「シリアルバーの販売です」と答えたが、ペイパルの社員は私の言ったことを信用していない様子だ。
引用:『【特注】をビジネスにする新戦略 カスタマイズ』
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これは、YouBarを立ち上げた人物…つまり、本書の著者の驚愕エピソードです。
カスタマイズできるシリアルバーのビジネスが成功し、違法行為かと思われるほどの入金(=注文)があったということです。
しかもたったの一週間で。
ここまで読んで早速カスタマイズシリアルバーの会社を立ち上げようとしてる人も多数いるかと思いますが、とにかくその後も、カスタマイズビジネスはどんどん広がっていくこととなります。
そして、それは日本にも波及していくのです。
国内にもカスタマイズ時代が到来
なぜ日本にもカスタマイズの波が到来したのでしょうか?
私は二つの理由があると思います。
1.SNSの普及
日本人は比較的、自己主張が控え目であると言われていますが、そんな日本人も最近は自己主張をするようになってきています。
といっても、自己中心的な人が増えてきたとか、そういう話ではありません。
SNSの普及によって、多くの人が気軽に発信することができるようになったのです。
SNSは自己表現ツールでもありますから。
それによって自分自身の発信、自分のオリジナリティの発信が身近になってきているのです。
(インスタ映えというワードは2017年の流行語候補にも選ばれましたね。)
2.技術革新
それに加えて、かつては技術の制約により大量生産しかできなかったものが、技術革新により、様々な分野において低コストでのオーダーメイド製造が可能になってきています。
SNSの普及×製造技術の革新=カスタマイズ時代の到来
そんなわけで、日本でもカスタマイズブームがじわじわと到来してきているのではないでしょうか。
オリジナルにカスタマイズされた、自分だけのもの。
それをSNSに発信して、それを見た人がまた欲しくなり、どんどんブームが拡散していくのですね。
「カスタマイズは人間本来の欲求である」
本書には、こんなフレーズもありました。
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カスタム商品への欲求は、単に人間本来のものであり、二十世紀には大量生産の便利さに押され、抑えつけられていたまでだ。
引用:『【特注】をビジネスにする新戦略 カスタマイズ』
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カスタマイズブームが到来するずっと以前から、富裕層はいつの時代であれオーダーメイドの特注品をつくってきたものです。
それが、低コストになったことで誰でもできるようになっただけに過ぎない。
確かに、と思わされてしまいますね。これからはどんどんそれが加速化していくのかも知れません。
コストのかからないカスタマイズは私たちにとってかなり身近なところに転がっています。
身近なカスタマイズ
私もトッピングが豊富なラーメン屋に行くと色々入れたくなる時がありますが、あれも立派なカスタマイズです。
ポケモンをやったことがある人ならピカチュウの技の構成に頭を悩ませた事があると思いますが、あれもカスタマイズですね。
トッピングは安く、ゲーム内の技のカスタマイズはいくらやっても現実のお金はかからない。
だからやる。
そう考えるとやっぱりコストの問題が解決すれば、人間は基本的にカスタマイズがしたい。そんなことが言えそうですね。
つくりたいものを低コストでカスタマイズしてつくれるなんて、いい時代になったものです。
カスタマイズビジネス
書籍内では、「カスタマイズビジネスを成功させる7つのステップ」まで紹介されています。
マインド的なことから具体的なことまで段階を追って書かれているので、本気で始めたい人には嬉しい内容になっています。
すべてを詳しく書くことはできませんが、せっかくなので国内で話題になった(もしくは今なっている)カスタマイズビジネスをざっと紹介しようと思います。
・NIKEiD … NIKEのシューズをカスタマイズできるサービス
・UTme! … オリジナルデザインのユニクロTシャツをつくれ、そして販売もできるサービス
・White atelier by CONVERSE … オリジナルのコンバースがつくれるリアル店舗
・フォトビー … オリジナルのサッポロビールラベルがつくれるサービス
・DECO CHOCO … オリジナルチロルチョコがつくれるサービス
ざっと羅列しましたが、きっとこれからもどんどん増えていくでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
カスタマイズされた特注品が欲しくなってきたのではないでしょうか。
もし、欲しくならなかった方も、『【特注】をビジネスにする新戦略 カスタマイズ』を読んでみてください。
きっと興味が持てるでしょう!
written by hidema